GT-Rが秘めた本来の性能の解放
1989年にデビューしたR32GT-Rは、メーカー自主規制のため最高出力280psと意図的に性能を抑えた状態で市場に投入されました。実際にはそれを大きく上回るポテンシャルを持ち、ノーマルでも300psを超えるパワーを発揮できる能力がGT-Rには備わっています。
ここで重要になるのが、整備との関係です。意図的にディチューンされた部分を解放し、本来の性能を引き出すためには、まず車両が完全に整備された状態にあることが大前提となります。土台が整っていない車両にチューニングを施しても、その効果は半減するどころか、新たなトラブルを招くリスクすら生じます。
チューニングの世界では、サスペンション、ステアリング、ショックアブソーバー&スプリング、吸排気系といった各部品を総合的にアップグレードし、最終的にコンピュータで全体を調律することで、GT-Rが本来持つパフォーマンスを実現させることができます。この「調律」という表現は実に的を射ています。オーケストラの各楽器がそれぞれ正確にチューニングされ、指揮者のもとで初めて美しいハーモニーを奏でるように、GT-Rの各システムが整備・調整されて初めて、真の走りが実現します。
さらに上を目指すなら、エンジンをオーバーホールし、ピストン、カムシャフト、吸排気ポートといった内部部品まで刷新するフルチューンという選択肢もありますが、まずはライトチューンから始め、しっかりと整備された車両をベースに、気持ちよいハンドリングと信頼性の高いパワーを実現することが理想的です。段階的なアプローチが、GT-Rとの長い付き合いを可能にします。
